2008年2月26日(火)「しんぶん赤旗」
JAL客室乗務員監視ファイル裁判
「真相の究明を」 シンポに300人
井筒映画監督がエール
日本航空キャビンクルーユニオン(CCU)と客室乗務員ら百九十四人が「個人情報を無断収集され、人権を侵害された」と、日本航空とJAL労働組合(JALFIO)らを相手に損害賠償を求めて東京地裁に提訴した問題で、「JAL客室乗務員監視ファイル裁判」シンポジウム(主催・原告団とCCU)が二十五日夜、東京都新宿区内で開かれました。
市民ら約三百人が参加しました。事件の真相究明と責任追及、謝罪を求める新たなスタートにしようと開かれたもの。
安原幸彦弁護士が裁判について報告。第一回口頭弁論で会社側が「事実無根であり、強く否認する」とする一方、「認諾」という形で損害賠償に応じることを表明したことをのべました。「会社の組織的関与は明らか。会社は裁判を終わらせることで逃げ去り、真相と責任を、なに一つ明らかにしていない」と批判しました。
シンポジウムで日本弁護士連合会情報問題対策委員会副委員長の清水勉さんは、会社側の裁判を「認諾」で終わらせ、外部の第三者機関も入れようとしない体質を批判。「このままではJALはだれにも信用されず崩壊する」と話しました。
映画監督の井筒和幸さんは、「人権侵害であり憲法に違反する事件。さらにたたかいをすすめてほしい」とCCUにエールをおくりました。
原告代表は「真の安全運航確立、人間の尊厳が尊重される明るい職場づくりという当たり前のことを実現させたい」と発言。『週刊朝日』編集長の山口一臣さんはファイルを目にした驚きを語りました。