2008年2月25日(月)「しんぶん赤旗」
「せんたく議員連合」発足へ
保守二大政党体制の促進狙う
知事、市長など地方政治関係者らが地方分権改革を掲げて一月に旗揚げした「地域・生活者起点で日本を洗濯(選択)する国民連合」(略称・「せんたく」、発起人代表・北川正恭元三重県知事)と連携する国会議員連盟「せんたく議員連合」が来月三日に発足します。次期衆院選をにらみ、自民、民主の保守二大政党体制の促進を狙った動きです。
同議連は「活動案」で、次期衆院選挙に向け各党のマニフェスト(政権公約)の「充実」をはかるとともに、当面のテーマとして国会運営の改革や地方分権改革の推進を論議するとしています。二十日の同議連の発起人会合では、代表世話人に自民党の河村建夫元文科相と民主党の野田佳彦元国対委員長を選びました。会合には自民党の石原伸晃前政調会長、民主党の枝野幸男元政調会長、公明党の石井啓一政調副会長も出席しました。
また「活動案」によると、議連発足にあたって自民、民主、公明の各党から六十五人が参加し、議連を運営する幹事には自民党八人、民主党八人、公明党二人の各党発起人が就任するとしています。社民党、国民新党にも参加を呼びかける予定です。
議連発足を呼びかけた「せんたく」は、小選挙区制導入の「政治改革」運動やマニフェスト選挙推進を通じ、保守二大政党体制づくりをめざす政、財、学各界人でつくる「新しい日本をつくる国民会議」(二十一世紀臨調)が母体となったもの。二十一世紀臨調はこの間、参院での与野党逆転という事態を受け、衆院での三分の二の再議決規定の活用や与野党合意のための国会運営のルールづくり、早期の解散・総選挙へ向けての「マニフェスト」づくりなどを「緊急提言」しています。(昨年十一月)
「せんたく」発起人代表の北川正恭氏は「せんたく」旗揚げの狙いについて、「二十一世紀臨調は政党の掲げるマニフェストを検証評価する活動を進めてきたが、それだけではすまない事態を迎えている」(「せんたく」ホームページ)、「今後は運動に踏み込む必要があると判断した」(『日経』一月二十二日付)と発言。総選挙に向けて各党のマニフェストの作成に積極的に関与していく姿勢を示しています。
二十一世紀臨調は二〇〇三年の総選挙で自民、民主の「二大政党」による「マニフェスト選挙」を「提唱」。これは、「二大政党」の掲げる「マニフェスト」を通じて、国民の“選択肢”を消費税増税や憲法改悪など大企業とアメリカの要求の範囲に押しとどめ、広範な民意を政治の舞台から切り捨てようとするものでした。