2008年2月21日(木)「しんぶん赤旗」
小林多喜二の墓前祭
没後75年 140人集い「身近な思い」
小樽
戦前、侵略戦争反対と国民が主人公の社会づくりに身をささげたプロレタリア作家で、日本共産党員の小林多喜二の命日にあたる二十日、北海道小樽市で、墓前祭が行われました。
今年は多喜二が一九三三年に特高警察に虐殺されてから七十五年です。道内はじめ東京、京都、大阪などから百四十人が集まり、急こう配の奥沢墓地の雪を踏みしめて参列し、多喜二の愛した赤いバラを献花しました。
『蟹工船』エッセーコンテストに入賞した大学生は「亡くなって七十五年たってもこれだけの人が多喜二を身近な思いで見ていて、驚きです」といいます。
寺井勝夫小樽多喜二祭実行委員長は「戦争と平和がせめぎ合う激動の情勢に多喜二の不屈の生涯を学び、多くの人たちと連帯を結ぶことを墓前に誓いたい」とあいさつしました。
日本共産党北海道委員会の青山慶二書記長は「いま非正規雇用が広がる若者のあいだで、『蟹工船』がわがこととして受け止められています。けれども多喜二の時代と違い、現代は堂々と活動できます。国民が主人公の政治を切り開きましょう」とよびかけました。
祖父母に付き添って参列した女性(22)=大阪府=は「多喜二の時代といまの若者が重なるというのは、本当だと思いました。私も服屋のアルバイトで夜中の十二時に突然、次の日の仕事が入り、サービス残業があって頭にきていたんです」と話していました。