2008年2月20日(水)「しんぶん赤旗」
「核」打開へ米朝協議
ヒル次官補「中身ある討論」
【北京=山田俊英】北朝鮮の核問題をめぐる六カ国協議の米国首席代表、ヒル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)と北朝鮮首席代表、金桂冠外務次官が十九日、北京の北朝鮮大使館で会談しました。北朝鮮の核計画申告をめぐる対立について協議しましたが、打開の方向は示されませんでした。
両国首席代表の会談は昨年十二月、ヒル次官補が北朝鮮を訪問して以来です。
会談後ヒル次官補は記者団に、「どのようにして事態を動かすか話し合った。よい、中身のある討論だった」と語りました。申告については「北朝鮮はわれわれの考えを理解したと思う。しかし、完全で正確な申告をしてもらわなければならない」と強調。双方の立場を確認しあったにとどまったもようです。
これに先立ちヒル次官補は十八日、六カ国協議の議長国、中国の何亜非外務次官補らと会談しました。
朝鮮半島非核化の過程は、二〇〇五年九月の六カ国共同声明実施の第二段階に入っています。北朝鮮は核施設の無能力化に続いて、核計画の申告を求められています。しかし、米国が「テロ指定国家」を解除しないことに反発する北朝鮮と、まず核計画の完全な申告を求める米国とが対立し、こう着状態に陥っています。
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