2008年2月20日(水)「しんぶん赤旗」
キューバ国家評議会議長
カストロ氏 退任へ
キューバのカストロ国家評議会議長(81)は、十九日の共産党機関紙グランマ(電子版)に声明を発表し、国家元首にあたる国家評議会議長を退く意向を明らかにしました。軍の最高司令官も退く意向です。
同議長は、二〇〇六年七月に腸の外科手術を受けて以来、弟のラウル同評議会第一副議長に権限を暫定的に委譲していました。今後は、読書と思索、寄稿に専念するとしています。
同議長は声明で、「国家評議会および軍最高司令官の地位を望みもしないし、受け入れもしない」と述べました。
自らの健康状態が回復しなかった場合、それは「たたかいの真っただ中にある国民にトラウマになるようなニュースをもたらす」と指摘。「真っ先にやるべき私の務めは、長年のたたかいの後、私が不在になることに対し国民に政治的にも心理的にも覚悟を固めてもらうことだった」とも語りました。
自分以外にも国民が頼りにできる幹部がおり、「彼らは(私との)交代を保証できるだけの権威と経験を持っている」と指摘しました。
キューバでは二十四日に、一月の総選挙で選出された人民権力全国会議(国会)が招集され、国家評議会議長を選ぶ予定です。
カストロ議長は、キューバ革命の起点となった一九五三年のモンカダ兵舎襲撃で革命を指導、五九年の成功へ導きました。同年二月に首相に就任。七六年十二月に国家評議会議長に選出されて以来、六期連続で議長に選ばれてきました。