2008年2月16日(土)「しんぶん赤旗」
下請け増え労災増
製造現場 厚労相「法改正も」
塩川氏質問
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日本共産党の塩川鉄也議員は十五日の衆院予算委員会で、大企業製造現場で、不十分な安全対策のもと働かされる下請け労働者の実態を告発し、「安全対策さえ後回しにする大企業を応援する政治は転換すべきだ」と政府に迫りました。
製造現場で働く派遣・請負はこの十年間で百三万人と二倍化。下請け労働者が労働災害にあう比率は、元請け業者の二倍以上に達します。
塩川氏は昨年十二月、下請け労働者四人が死亡した三菱化学鹿島事業所(茨城県)の火災事故をとりあげ、製造現場の下請け労働者の実態を明らかにしました。死亡したのは四次、五次下請けの社員です(図)。三菱化学は死亡した労働者の所属会社も把握しておらず、重層下請けの問題が浮き彫りになりました。
塩川氏は、その作業現場には、本来、安全指示書などを作成する責任のある元請けや一次下請けの社員がいなかったことを指摘。「製造業でも、建設業と同様に元請け責任を明確化した安全対策を」と、労働安全衛生法改正を求めました。
舛添要一厚労相は「しかるべき法改正も検討する」と答えました。
塩川氏は、保安規制を緩和してきた政府の姿勢をただすとともに、三菱化学が五年間で従業員数の半分=五千人余をリストラしたことを指摘。「大量の人減らしで、まともな安全対策の継承ができるのか」と迫りました。
しかし甘利明経産相は「国際競争が激化するなか、選択と集中をして生産性をあげなければならない」などと擁護。塩川氏は、政府が同社に産業再生法を適用して約三億円もの減税をしてきたことを示し、「リストラ応援を続ける政治では、まともな安全対策は取れない」と批判しました。
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