2008年2月15日(金)「しんぶん赤旗」
温室効果ガス排出量取引制度
「日本は産業界が反対」
国連枠組み条約事務局長が指摘
国連気候変動枠組み条約のデ・ブア事務局長は十四日、東京都内で記者会見をしました。このなかで、日本が温室効果ガスの排出量取引制度を導入していないことに言及し、産業界が反対していることを指摘しました。
デ・ブア氏は、十四、十五両日に東京で開かれる「気候変動に対する更なる行動」に関する非公式会合に出席するため来日しました。
会見のなかで、デ・ブア氏は、排出量取引制度について、「京都議定書に参加するほぼすべての先進国が制度を採用するなか、日本では依然、産業界から強い反対がある」と指摘しました。そのうえで、「米国の大統領選挙がどんな結果になっても、その後、世界の全先進国がキャップ・アンド・トレード(排出量取引)制度を模索することになるだろう」と述べ、日本が議長国となるG8洞爺湖サミット(今年七月開催)での対応に注目していることを強調しました。
また、同サミットに関連して、「日本は、二〇二〇年までにどれだけ温室効果ガス排出削減するつもりがあるかを示すことが大きな課題だ」と述べました。
排出量取引制度(キャップ・アンド・トレード) 国全体として温室効果ガス排出量を削減するための制度。政府が温室効果ガスの総排出量を決め、個々の事業者に排出枠を配分します。排出枠を超えて排出した事業所は、その分を排出枠より実際の排出量が少ない事業所から排出枠を買うことになります。
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