2008年2月14日(木)「しんぶん赤旗」
軍縮会議
宇宙の兵器配備禁止条約案
中ロが討議呼びかけ
【北京=山田俊英】中国とロシアは十二日、ジュネーブ軍縮会議に共同提案した、宇宙空間への兵器配備を禁止する条約案の実質討議に入るよう各国に呼びかけました。条約案は宇宙空間への兵器配備を禁止するとともに、「宇宙空間の物体に対する武力行使や武力による威嚇」も禁止するとしています。
中国外務省などによると、ロシアのラブロフ外相が会議で演説し、「四十年間も続き、多大な浪費を招いた冷戦を繰り返してはならない」と述べ、法的拘束力のある国際条約の締結を呼びかけました。
米国は軍事衛星の配備など宇宙空間の軍事利用を進めており、同外相の演説はこれを暗に批判したものです。
中国の楊潔篪(ようけつち)外相は同会議に送った書面あいさつで、「国連総会は二十年余り続けて、圧倒的多数で決議を採択している。軍縮会議が宇宙軍拡競争防止に向けた多国間協定の交渉、締結に主導的役割を果たすべきだ」と訴え、条約案についての実質的討議を始めるよう各国に呼びかけました。
宇宙空間への大量破壊兵器の配備は一九六七年に締結された宇宙条約で禁止されていますが、米国は宇宙空間を利用した「ミサイル防衛システム」(MD)の構築を進めています。日本でも自民党、公明党がMD参加のための宇宙基本法案を国会に提出しています。
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