2008年2月13日(水)「しんぶん赤旗」

格差・ホームレスの現状

北海道 学生・市民らシンポ


 北大や北星学園大の学生を中心にホームレスを支援している「北海道の労働と福祉を考える会」(代表・木下武徳北星学園大准教授)は十一日、シンポジウム「格差社会とホームレス―北海道の現状とその行方」を札幌市で開き、学生や市民、研究者ら百五十人が参加しました。

 岩田正美日本女子大学教授と、ホームレスの仕事をつくり自立を支援する雑誌『ビッグイシュー』日本代表の佐野章二さんが講演しました。

 岩田教授は、綿密な調査に基づき、「社会の二極化のなかで固定した貧困層が生まれ、社会的に排除へとすすんでいる。通常の社会関係や制度利用からも排除されていることが一番の問題」と指摘。ホームレス問題は、野宿者だけでなく、ネットカフェ難民も視野に入れる必要があり、解決のためには、「やり直しができる条件としての最低生活費の保障と住宅手当を要求する事が大事だ」と強調しました。

 佐野氏は、『ビッグイシュー』の日本での創刊にいたる経過と活動について、発言しました。

 講演のあと、中島岳志北大公共政策大学院准教授を進行役に、木下代表、北大生、市民ボランティアらをパネリストにしたシンポジウムを行い、北海道のホームレスの実態や特徴、支援活動の現状と課題を報告。「家も収入も人間関係さえも失った貧困のなかでは希望が生まれてこない」「ホームレスにやさしい社会は、誰にでもやさしい社会ではないのか」と活発に話し合いました。



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