2008年2月11日(月)「しんぶん赤旗」

ゆうPress

引越しシーズン 場所は? 安全は?

若い女性の部屋探し


 春を前に、そろそろ引っ越しのシーズンです。入学や就職、転職を控え、部屋探しをする人が増えてきます。とりわけ、若い女性にとって部屋探しは苦労も多いもの。何に注意すればよいのでしょう。(平井真帆)


 「家探しは本当に難しかった」。東京都内で保育士として働く大村由美さん(28)=仮名=は今月、引っ越しが済んだばかり。出産を機に以前住んでいた、さいたま市から、職場近くの東京都立川市に移り住むことに決めました。

 大村さんが最も驚いたのが家賃の違い。「都内は家賃が本当に高い。以前と同じ広さの部屋ではとても払えません」

 1月中旬、大村さんは駅前の不動産屋に紹介された物件を、いくつか見て回りました。資料ではいいと思っても、実際に現地に行ってみると、エレベーターがない、道路脇で騒音が気になる、階段が狭くて危険…。「ことごとく裏切られました」と、大村さん。結局、両親に家探しを手伝ってもらい、家賃も少し援助してもらうことに。

 一方、こんな人も。埼玉県内に住む会社員、荻野千夏さん(29)=仮名=は最初のアパートで、空き巣に部屋を荒らされ、ポストから手紙を盗まれる被害にあいました。

 怖くなり引っ越しをすることに。「家賃を重視して、安全面まで目が行き届かなかった」経験から、次のような点に注意して部屋を探したといいます。

 (1)夜の環境を下見する。夜になると風俗店などが開店し、治安が悪くなる場合があるから(2)2階の部屋の場合でも、周囲に高い塀や電柱などがなく、表から登れないようになっているか(3)夜間、街灯がついていて明るいかどうか(4)ポストにカギがかかるようになっているか―

 「それと、入居前に必ず、入り口のカギは変えてもらいます。前の人がスペアキーを作っている場合があるので」と荻野さん。

 安くて安心できる、部屋選びは大変です。


地域の不動産屋さん アドバイス

 東京都板橋区で30年以上にわたり、不動産屋を営む此村末松さん。長年、さまざまな部屋探しの相談にのってきた此村さんに、部屋選びのポイントを聞きました。

 住む家を決めるためにまず最初にすることは、「どこに住みたいのか」をはっきりさせること。不動産屋によって得意なエリアが違うので、地区や駅をしぼり込みます。

 住みたい地域が決まったら、次は不動産屋を探します。板橋区だけで「約600軒もある」という不動産屋。何を基準に選べばよいのでしょう。

 「地域で長く経営している不動産屋は、街のあらゆることを知っています」。病院や郵便局の場所、空き巣や水漏れのトラブルなど、何でも相談に乗ってくれるはず。

 店内に飾ってある「宅地建物取引業者票」の番号が若いほど「新しい」不動産屋。分からなければ気軽に「どのくらい営業しているか」聞いてみましょう。くるくると担当者が変わらない、地元に根ざした不動産屋がよさそうです。

急いで決めず

 部屋探しは、いつごろ始めるのがベストでしょうか。「1カ月前に探し始めれば十分」と此村さん。ここ数年は常に物件が空いており、部屋探しのピークが特にないのが特徴だそうです。「早めに決めてしまうとその分、住んでいなくても家賃がかかります」

 インターネットなどで住みたい地域の不動産屋を探し、事前に電話で希望を伝え、物件を探してもらうこともできます。「地方から家探しに上京するのは費用も時間もかかりますから」。フラッと立ち寄るより、事前に希望を伝えておくと、よい物件を探しておいてくれるそうです。

 では不動産屋に、どのような希望を伝えればよいのでしょう。「まず、家賃。ネットなどで、その地域の家賃相場を調べておくとよいですよ」

 そのほか、間取り、1階か2階か、フローリングか畳か、お風呂の有無など。風呂が付くかどうかで家賃が相当違ってくるそう。低家賃の風呂なしを希望した場合、「必ず近くに公衆浴場があるかどうか、確認してください」。

何でも相談を

 空き巣や泥棒に狙われやすいアパートなどはあるのでしょうか。一般的には2階の方が好まれますが、「安全だ、と言われていても被害にあうことはあります。どこでも起こりうると考え、絶えず注意することですね」。

 さて、物件が決まったら契約です。家を借りるときに意外と大切なのが「連帯保証人」。その際、保証人の「住民票」と「印鑑証明」が必要です。事前にそろえておくとスムーズに契約が進みます。

 「最後に…」と、此村さんは話します。「不動産屋とは本来、ただ部屋を周旋するだけではないはず。困ったことがあったら何でも相談してください」

 引っ越し先で、地元の日本共産党議員や党事務所と連絡を取り、相談するのもお勧めです。


本来「住まいは人権」

共産党の考え

 本来、住まいは生活の基本であり、憲法25条が保障する生存権の土台です。住まいが権利であることは、世界人権宣言や、日本政府も批准している国際人権規約も認めています。

 しかし、日本政府は、国の責任を後退させ、住宅の供給も、住宅取得のための金融も「市場まかせ」「民間まかせ」にしてきました。

 日本共産党は、「住まいは人権」という立場へ、住宅政策を転換することが必要だと考えています。


お悩みHunter

結婚考えているけど彼女にその気がない

  将来、結婚を考えている彼女から、「結婚をすることの意味や魅力がよくわからない」と言われました。結婚すると自分の自由な時間が減ったり、相手に行動を束縛される部分があると考えているようです。(27歳、男性会社員、東京都)

感じて、思ったこと伝えて

  十人十色といわれるように、夫婦のかたちも十組十色、恋人同士のカップルにも同じことがいえると思います。どんなかたちであれ、お互いが納得し心地よい関係をはぐくんでゆけるとよいですね。

 それには、相手の考えや思いを感じ合ったり、理解し合ったり、分かち合ったりすることが必要ですよね。

 あなたは、なぜ彼女と結婚をしたいと考えているのですか? あなたの考え、あなたの思いは、彼女に伝えましたか? あなたが、彼女の考えを聞いて、なにを感じ、どう思いをめぐらせたのですか? あなたが、彼女の考えを聞いて感じたこと、思ったことを彼女に伝えましたか?

 お互いの考えや思いを自分の胸だけにためずに、相手に話すことが大切だと思います。そうすることにより、あなたと彼女でしかつくれない関係性ができてくるのではないでしょうか。

 結婚は、人生途上のさまざまの選択肢の中のひとつでしかありません。選んでも選ばなくとも、どんな道を探り当てようとも、あなたと彼女の二人で自由に決めてよいのです。だからこそパートナーとの話し合いが重要になってきますね。

 自分の考えと相手の考えが違うからといって、終わりでもなければ、自分の考えを押し殺す必要もない、お互いの相違を分かり合い、歩み寄ることが大切だと思います。


舞台女優 有馬 理恵さん

 「肝っ玉お母とその子供達」など多くの作品に出演。水上勉作「釈迦内柩唄」はライフワーク。日本平和委員会理事。


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