2008年2月6日(水)「しんぶん赤旗」

古紙偽装大手3社 自民に献金

王子など4660万円

国からは補助金


 製紙会社による再生紙偽装問題は、古紙の再利用という環境問題の象徴的取り組みを欺くもので、“エコ偽装”ともいうべきものです。その偽装を認めた企業のうち三社が地球温暖化対策や新エネルギー開発事業で国から補助金を交付されていたことが本紙の調べでわかりました。この三社は、自民党の政治資金団体「国民政治協会」に、二〇〇四―〇六年の三年間で計四千六百六十万円の献金をしていました。


 補助金の交付を受けていたのは、業界団体「日本製紙連合会」の会長企業である王子製紙のほか、日本製紙と三菱製紙。

 王子製紙は、宮崎県日南市の工場が「廃タイヤを主とした廃棄物燃料を用いて発電を行い、自社工場内で利用する事業」で、経済産業省の新エネルギー開発事業の補助金を〇四―〇六年に受けたのをはじめ、鳥取県米子市の工場(〇三―〇五年)、徳島県阿南市の工場(〇六年)でも、「廃棄物熱利用」の補助金を受けています。

 日本製紙は、山口県岩国市の工場が「廃棄物発電」(〇五―〇六年)、北海道旭川市の工場が「バイオマス熱利用」(〇六年)の補助金を交付されています。

 三菱製紙は、京都工場の「ボイラー燃料転換」事業が、環境省の「自主参加型国内排出量取引制度」の補助金交付を〇六年に受けています。

 政治資金収支報告書によると、王子製紙は、〇四年、〇五年に各一千万円、〇六年に千百万円、日本製紙は、〇四―〇六年に毎年五百万円、三菱製紙は、〇四年、〇六年に各三十万円を、それぞれ国民政治協会に献金しています。

 政治資金規正法は、補助金交付から一年以内の献金を禁止しており、三社の献金はほとんどが、同法に触れるおそれがあります。

 昨年七月、王子製紙、日本製紙などでは、大気汚染防止法が定める基準を超える窒素酸化物などを排出しながら、基準内に抑えるため、県や市への報告データを改ざんしていたことが発覚したばかり。税金である環境がらみの補助金を受け取り、献金という形で自民党側に還流させ、古紙の“エコ偽装”―。企業モラルが厳しく問われています。


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