2008年2月6日(水)「しんぶん赤旗」
広大な医療空白生む
公立病院切り捨て批判
紙議員
日本共産党の紙智子議員は五日の参院予算委員会で、国が自治体病院に対して「経営の効率化」などを求めて縮小・削減を押しつける「公立病院改革ガイドライン」について質問し、地域医療に不可欠な自治体病院切り捨て政策の転換を強く要求しました。
「ガイドライン」は、「経営の効率化」「再編・ネットワーク化」「経営形態の見直し」の三つの視点を一体的に推進するとして、経営効率化の数値目標を入れた「改革プラン」を来年度中に策定することを求めています。
紙氏は、具体例として、北海道が国のガイドラインを先取りして打ち出している「自治体病院等広域化・連携構想案」を提示。道内にある九十四の公立病院のうち、三十八病院を診療所に、九病院は規模を縮小するというもので、実行されれば広大な医療空白地域が生まれると告発しました。(図参照)
紙氏は、同案で診療所化の対象とされた上川町立病院の例をあげ、「町立病院がなくなれば、旭川市まで、列車で一時間二十分、車でも一時間ですよ。住民の命綱を削るというのか」と迫りました。
増田寛也総務相は「医師不足は深刻、勤務医を過重な(勤務の)ままおいておくと倒れてしまう」などとし、「再編・ネットワーク化が必要だ」との答弁を繰り返しました。
紙氏は、この問題は北海道だけの話ではないとし、自治体病院の経営悪化の根本には、国の医師数抑制政策による医師不足や、診療報酬引き下げ、地方交付税削減にあると指摘。「すべて国がやったことなのに、その責任を棚上げにして、地方自治体に公立病院の縮小・削減計画をつくらせようというのか」と批判しました。
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