2008年2月5日(火)「しんぶん赤旗」
米財政赤字が最高水準
大統領が予算教書 軍事費の伸び突出
【ワシントン=西村央】ブッシュ米大統領は四日、軍事費拡大を柱とした二〇〇九年度(〇八年十月―〇九年九月)の予算教書を議会に提出しました。
景気後退の懸念が深刻なもとで、約千五百億ドル(約十六兆円)の戻し減税策も盛り込まれ、歳出総額は三兆一千七十億ドル(約三百三十兆円)。この結果、財政赤字は、今年度および来年度とも四千億ドル(約四十二兆円)前後が見込まれ、過去最大だった〇四年度(四千百二十七億ドル)に迫る見通しです。
ブッシュ政権最後の予算教書で突出した伸びとなっているのは軍事費です。イラクやアフガンでの戦争が長期化するなかで前年比7%増の五千百五十億ドル(約五十五兆円)を計上。これにエネルギー省所管の核兵器関連予算二百十億ドル(約二兆二千億円)が加わります。
この一方で、高齢者や低所得者向けの医療制度であるメディケアやメディケイド予算は抑制、教育予算も伸びは現状どおりとなっています。国内政策の各分野では全般に現状での凍結か、インフレ分を除くと実質減となっています。