2008年2月5日(火)「しんぶん赤旗」

主張

京都市長選

市政刷新への絶好の機会


 京都市長選が三日告示され、市政刷新を訴える中村和雄氏が、日本共産党推薦で立候補しました。

 人口約百五十万人の政令市で、三期十二年続いた桝本頼兼市政の深刻な行き詰まりのなかでおこなわれる市長選です。京都市民の命と暮らしを守るとともに、地方自治体の今後のあり方にもかかわる、全国注視の大事な選挙です。

対決構図は鮮明

 京都市長選には四人の候補が立候補していますが、選挙戦は事実上、「いま正義を・京都市政を刷新する会」が推す中村氏と、自民、公明、民主など「オール与党」が推す前市教育長の門川大作氏の一騎打ちです。「市政刷新の会」は広範な市民・団体と、日本共産党も参加する「民主市政の会」で構成します。市民と「オール与党」の対決構図は鮮明です。

 自民・公明と民主は、国政でも、海外派兵の恒久法制定や年金財源を口実にした消費税増税など、「同質・同類」ぶりを鮮明にしていますが、京都市政でもこれらの党は、久しく「オール与党」の体制を続けてきました。三期にわたった桝本市政でも自民、公明、民主などが相乗りし、今回の選挙でも結局「オール与党」の体制で桝本市政の中心幹部だった門川氏を推すことになりました。

 国民が自公の政治に「ノー」の審判を下した昨年の参院選以降、自公に代わる新しい政治の探求がいよいよ重要になっています。京都市長選は、国政でも市政でも国民・市民の願いに反する自民、公明、民主など「オール与党」市政に、市民が「ノー」の審判を下す絶好の機会です。

 国政では自公の政治のもとで貧困と格差が耐え難いまでに拡大し、国民のくらしと地域の経済が破壊されていますが、「オール与党」の桝本市政は国の悪政から市民を守るどころか、高速道路の市内乗り入れなど大型公共事業や不公正な同和行政を続ける一方で、国保料や市営地下鉄の運賃値上げ、ごみ収集の有料化など市民に犠牲を押し付け、くらしをいっそう悪化させてきました。

 大型開発による歴史的景観の破壊や、大阪と並ぶ京都の不公正な同和行政が繰り返しマスメディアで問題にされ、桝本市政の十二年間に「不祥事」などで逮捕された市職員だけでも百人近くにのぼるというように、市政の行き詰まりは明白です。市民からはかつてない市政批判が突きつけられており、抜本的な刷新が待ち望まれています。

 桝本市政の後継者であることを隠そうとしない門川氏も、市役所の「刷新」や高速道路建設の「検討」をいいだすありさまですが、「オール与党」に推された庁内出身の門川氏に、市政を変えることは不可能です。市民の切実な願いにもとづき、国保料の一万円引き下げや同和行政の終結、高速道路の中止などを掲げる中村氏の訴えを実現してこそ、市政刷新ができます。

「町衆」と共産党の力で

 京都ではこれまでの市長選でも日本共産党と市民が力をあわせ、「オール与党」勢力を追い詰めてきました。鴨川へのダム建設や大文字山のゴルフ場建設などを中止に追い込み、全国から注目される景観条例を実現したのも、共同の力です。

 京都には、歴史的な「町衆」の力が脈々と息づいています。今回の市長選では、「市政刷新の会」に弁護士、医師、宗教者、労働者、まちづくり運動などが「民主市政の会」とともに参加して中村氏を支えています。「町衆」、市民の力を発揮して中村氏が勝利すれば、結果は全国にも大きな励ましを与えることになります。


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