2008年2月4日(月)「しんぶん赤旗」
08米大統領選
第三の候補 草の根から
温暖化、医療 変化つくりたい
「緑の党」が討論会
米大統領選挙の候補者指名で主要メディアが民主、共和両党以外の動きをいっさい報じないなかで、大企業がバックにつく二大政党ではなく、大企業からの献金とも無縁で市民要求を基礎に活動する第三党のなかで大統領選挙の候補者を選考しようとする運動が進められています。(ワシントン=西村央 写真も)
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二日には、首都ワシントンで緑の党が主催する立候補予定者の討論会が開かれ、市民運動指導者のラルフ・ネーダー氏(73)も参加しました。
この討論会は、緑の党が候補者選びのために、全国的に実施しているキャンペーンの一つで、一月にサンフランシスコで開いたものに続く二度目のもの。約百三十人の同党関係者を前に、ネーダー氏のほか、四年前にウェストバージニア州知事選に同党から立候補したジャスティー・ジョンソン氏や環境分野の活動家など五人が、出席者の質問にも答えながら、見解を表明しました。
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このなかでは、緊急な温暖化対策、医療保険拡充、教育改革などが語られたほか、「巨大企業によって政治がゆがめられている」「草の根の力で変化をつくりだそう」との訴えがありました。
ネーダー氏は、大統領候補になったらまず主張することはとの質問に答え、「イラクからの米軍撤退」をあげました。
ネーダー氏は一九九六年、二〇〇〇年の大統領選挙で緑の党から立候補。前回〇四年の選挙では緑の党の公認が得られず無所属で立候補しました。今回の選挙については、先月三十日に予備的な委員会の設立を表明し、去就が注目されていますが、討論会後、本紙にたいし、「一カ月以内に立候補するかどうか決断する」と語りました。
各候補予定者の訴えに耳を傾けていた図書館の契約職員、エリカ・マディッドさん(27)は、「二大政党だけでの選挙は民主主義を破壊するものです」とのべ、第三党・第三候補の立候補には高い壁が設けられ、二大政党に有利な選挙制度となっていることを批判。
さらに「私たちが大統領選で勝つには長い道のりですが、何が本当の平和なのか、本当に実現しなければならない要求は何か、それを国民に語りかけていくことが大事です。私たちがその決意を固めることが国を変えることにつながると思っています」と語りました。