2008年2月4日(月)「しんぶん赤旗」

仏の住宅難民330万人

政府住宅建設費 昨年30年で最低

援助団体報告


 【パリ=山田芳進】三百三十万人が住居を持たないか、劣悪な住環境で暮らしている―。ホームレスをはじめとする“住宅難民”の援助、権利擁護活動を行うピエール神父財団が一日発表した年次報告「フランスにおける劣悪な住宅状況」で明らかにしました。

 報告によると、三百万人以上の住宅困窮者に加え、六百万人近くが短期・中期的に現実的な不安に直面。この数字は住宅問題の危機的状況を示す「憂慮すべきもの」と強調しています。

 今年一月には、同財団も成立に尽力した「住居権」(一定の条件を満たせば、国から適当な住宅を保障される権利)法が発効しました。しかし報告は、六十万世帯とみられる対象者に対し、現状では年間六万件の供給しかできないことを指摘。「政府が野心的な政策を実行しなければ、この法律は虚構にすぎなくなる」と警告しています。

 政府が年間五十万件の住宅建設を目指すとしながら、社会的住宅建設費を減らし、二〇〇七年には過去三十年で最低になったとし、「適切な財政的手段が伴っていない」と批判しています。

 この問題で政府は一月二十九日、“住宅難民”対策として〇八年度分二億五千万ユーロ(約四百億円)の支出を発表。しかし十五億―十七億ユーロが必要だとする同財団を含む慈善団体二十七団体は三十一日、「落胆」を表明し、二月二十一日に全国デモを呼びかけています。


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