2008年2月3日(日)「しんぶん赤旗」
「博士の就職難」解決へ
共産党シンポ 若手研究者ら討論
大学院博士課程を修了しても安定した研究職に就けない若者が急増するなか、その解決の展望を考えようと二日、日本共産党学術・文化委員会主催の「若手研究者の就職難と劣悪な待遇の解決のための公開シンポジウム」が東京都新宿区の日本青年館で開かれました。
大学教員やポスドク(非常勤研究員)、非常勤講師、大学院生ら百人近くが会場を埋め、活発な討論がおこなわれました。「若手が声をあげていくことができるのじゃないか」とシンポジウムで意を強くしたと発言するポスドクもいました。
シンポジウムは足立正恒・党学術・文化委員会責任者の主催者あいさつに続いて、パネリストの五氏がそれぞれの立場から報告(6面に報告要約)。自由討論では、若手研究者の実態や解決に何が必要かをめぐって熱い議論がおこなわれました。
「奨学金返済で一千万円の借金を背負う博士が研究機関にいる」「学費が払えない大学院生が倍増した」「非常勤講師の待遇改善を」という声や要望、ポスドクから「“生き残る”が合言葉だ」「学生のなかで博士への興味を失わせている」などの切実な発言、競争的な研究環境のなかで発生する不正行為を告発する意見もありました。
パネリストからもさまざまな提案が語られました。
石井郁子衆院議員(党副委員長)は、フランスでは「研究を救え」の運動で国の政策を変えさせたことや、日本国内で国民の声が国会や政治を動かす新しい状況が生まれていることをのべ、「日本の貧しい政策転換のために力を合わせたい」と表明しました。