2008年2月2日(土)「しんぶん赤旗」

国際援助団体

軍事より生活を

アフガン問題で英首相らに書簡


 【ロンドン=岡崎衆史】国際援助団体オックスファムは一月三十一日、アフガニスタン問題について、ブラウン英首相ら関係各国首脳に公開書簡を送り、復興活動の遅れを取り戻すため、軍事偏重の現在の方針を抜本的に改め、住民生活向上への努力を強めるよう訴えました。

 書簡はアフガンの復興状況について、「社会的、経済的前進は疑いない」としながらも、「治安の悪化で前進が損なわれている」と指摘。「被害を減らし、人道的惨状を回避するための大規模な方針転換」を求めました。

 特に米英軍など国際部隊による軍事行動について、「表面的な事がらへの対処であって、大本にある要因や条件に対処することにはならない」と警告。「アフガン人の生活を真に向上させ、よりよい将来の見通しをもたらすことが不可欠で、それが武装抵抗の拡大を防ぐ長期的な方策だ」と強調しました。

 また、「開発と治安は深く結びついている」として、アヘンやヘロインの原料となるケシ栽培の広がりや、反政府武装勢力タリバンの勢力拡大の要因には貧困があると分析しました。

 書簡は、アフガン人の大多数が地方に住み、農業と商売で生計を立てているにもかかわらず、農業や地域開発、地方政治を支えるための支援はわずかだと指摘。例として、米国のアフガンでの六日分の軍事費約六億ドル(約六百三十六億円)が、過去六年の農業への支援全体に相当することを挙げ、米国の軍事偏重政策を批判しました。

 ケシ栽培の強引な取り締まりについては、生活の糧を失った農民による武装勢力支持につながるとして、地域開発と農業支援を先行させることを勧告しました。


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