2008年1月31日(木)「しんぶん赤旗」
ルワンダ大虐殺への関与
仏外相「政治的誤り」
【パリ=山田芳進】フランスのクシュネル外相は二十六日、アフリカの内陸国ルワンダを訪問し、一九九四年の同国でのジェノサイド(大虐殺)に対するフランス軍の関与でフランス側に「政治的な誤り」があったことを認めました。カガメ大統領との会談後の記者会見で語りました。
フランス閣僚のルワンダ訪問は二〇〇四年以来。今回のクシュネル外相の訪問は、周辺国歴訪の一環。両国の関係改善の足がかりとみられます。
ルワンダでは一九九四年に多数派民族フツ族出身のハビャリマナ大統領が暗殺とみられる飛行機事故で死亡したことをきっかけに、フツ族と少数派民族ツチ族の対立が激化。同年七月までに百万人以上のツチ族と穏健派フツ族が殺害されたといわれます。
フランス軍は国連安保理の決議に基づいて、同年六月から他のアフリカ諸国とともに同国でジェノサイドの危険にさらされている国民の保護などを名目とする「トルコ石作戦」を展開しました。
ジェノサイド終了後に誕生したツチ族主導の政府や生存者からは、フランス軍がフツ族のジェノサイド実行を見て見ぬふりをしたり、実行犯の逃亡を援助したなどの批判が起きていました。
ルワンダは、二〇〇六年十一月にフランスの裁判所がカガメ大統領をはじめとする政府要人に九四年の飛行機爆破事件の関与の疑いで逮捕状を出したことに抗議して、フランスとの断交を通告していました。