2008年1月31日(木)「しんぶん赤旗」
診療所再診料据え置き
中医協 75歳以上も当面差別せず
二〇〇八年度の診療報酬改定を議論している中央社会保険医療協議会(中医協、厚生労働相の諮問機関)は三十日、診療所の再診料引き下げを〇八年度は行わないことを決めました。
再診料をめぐっては、健康保険組合連合会など支払い側が引き下げを要求したのにたいし、日本医師会など診療側は、「開業医の意欲をそぐ」と強く反対。土田武史・中医協会長が、診療所の再診料を下げずに、病院の再診料を上げるという提案をおこない、支払い診療双方が合意しました。
また、厚労省案では、後期高齢者医療制度の発足に合わせて、七十五歳以上を七十四歳以下と「差別」し、初診料を上げ、再診料を下げる方針でしたが、これについても「行わない」としました。初・再診料は〇八年度改定が終わった後、そのあり方を検討し、今後の改定に反映させるとしています。
現在、診療所の再診料は七百十円で、病院(二百床未満の中小)の五百七十円と差があります。厚労省は「患者が負担の少ない病院を選ぶ傾向が強い」として、「格差の是正」や「勤務医の負担軽減」を口実に、診療所の再診料下げを提案。医療団体などは「開業医と勤務医を分断するものだ」「開業医の実態を無視している」と撤回を求めていました。
厚労省はこの日、勤務医対策として千五百億円を診療報酬で措置する試算を提示。内訳として、(1)〇八年度診療報酬の医科プラス分千百億円を全額当てる(2)「軽微な処置の初・再診料への包括化」など開業医関係を圧縮して四百億円の財源を移動させる―方針を示しました。病院の再診料上げの財源は、これと別枠に、開業医関係から捻出(ねんしゅつ)するとしています。