2008年1月30日(水)「しんぶん赤旗」
消費税増税へ地ならし
政府 社会保障国民会議開く
政府は二十九日、「社会保障国民会議」の初会合を首相官邸で開きました。年金、医療など社会保障政策の全般について、給付と負担の在り方を幅広く議論するのが目的です。社会保障財源を口実に、消費税率引き上げの露払いをする狙いがあります。
福田康夫首相は冒頭、「わが国は世界に類を見ない少子高齢化が進行しており、今までの社会保障制度でやっていけるかという心配もある」と指摘。「社会保障の将来あるべき姿を見据え、給付とサービス、負担の問題を全体的に議論してほしい」と要請しました。
同会議のメンバーは、経済団体や労働組合の代表、学識経験者ら十五人。初会合には、首相のほか舛添要一厚労相、額賀福志郎財務相、上川陽子少子化担当相らが出席しました。吉川洋東大大学院教授を座長に選出しました。
吉川座長は会合後の記者会見で、「社会保障については(国民の中でも)最後まで意見の違いは残るだろうが、国民の選択の準備段階として、問題の所在について情報を共有する必要がある」と述べ、「国民の合意」形成をリードしたい考えを示しました。
今後、二月初旬をめどに「雇用・年金」「医療・介護・福祉」「少子化・仕事と生活の調和」の三分科会を設置し、具体的な議論をスタートさせます。六月に中間報告、今秋に最終報告をまとめる方針です。
同会議は福田首相が主導して設置しました。昨年十二月には、消費税問題を対決課題から外したい自民党が、同会議の設置を野党に呼びかけました。
日本共産党は「消費税増税の地ならしの場となる危険性が大きい。(社会保障については)国会の、さまざまな委員会で審議をすればよい」(市田忠義書記局長)と拒否、他の野党も参加を断った経緯があります。
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