2008年1月29日(火)「しんぶん赤旗」

野党支持者8人射殺

レバノン


 【カイロ=松本眞志】レバノンの首都ベイルート南部で二十七日、野党支持者八人が政府の送電停止や物価の高騰に対する抗議行動中、何者かによって射殺され、少なくとも二十九人が負傷しました。犠牲者はいずれもイスラム教シーア派組織ヒズボラとアマルのメンバーです。

 シニオラ首相(スンニ派)は事件後、国民に対して沈静を訴え、事件の捜査を指示しました。市民八人の犠牲はレバノン内戦(一九七五―九〇年)後最悪といわれ、新大統領選出の難航に象徴される与野党の政治対立との関係を指摘する声もあります。

 事件の背景となった抗議行動もエスカレートしており、ベイルートと南部のシーア派住民の多い地域や東部のベカー高原に通じる幹線道路が、反政府支持者によって自動車のタイヤなどで封鎖され、鎮圧に向かった政府軍兵士がアマルのメンバーを射殺する事態も発生しています。

 一方、アマルの指導者でレバノン国会議長のナビハ・ベリ氏は、抗議行動に対して否定的態度を表明。ヒズボラも冷静な対応を呼びかけました。

 同日、エジプトの首都カイロで開かれたアラブ連盟緊急外相会議で、参加した各国代表は、同連盟のムーサ事務局長によるレバノン与野党の連合政権案を支持しました。


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