2008年1月28日(月)「しんぶん赤旗」
ホロコースト記念日 英首相が寄稿
過去学ぶ教育の系統的努力を
【ロンドン=岡崎衆史】ブラウン英首相は、ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)記念日を翌日に控えた二十六日、英紙デーリー・テレグラフへの寄稿で、過去の悲劇を系統的に学び、将来の教訓にするよう訴えました。
首相はまず、ナチス・ドイツによるホロコーストで六百万人のユダヤ人が殺害され、そのうち百五十万人が子どもだったことを指摘。「欧州大陸規模の大量虐殺を引き起こした偏見や差別、迫害を許した邪悪な力や誤りをすべての世代が学び理解しなければならない」と強調しました。
その上で首相は、「系統的な努力だけが過去についての共通の知識を維持し、ホロコーストとたたかった少数の人々の勇気をたたえ、将来のための教訓を学ぶことができる」と述べ、過去を風化させない教育による系統的な努力が重要との考えを示しました。
英イングランドでは、ホロコースト学習は中等学校で義務化されています。生徒によるナチス・ドイツのアウシュビッツ強制収容所跡地訪問の支援も行われ、首相によると、今年はイングランドの全中等学校から二人以上の生徒が同地を訪問します。
ホロコースト記念日 ナチス・ドイツによるホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の犠牲者を追悼する記念日で、毎年一月二十七日。ナチス・ドイツのアウシュビッツ(現ポーランド・オシフィエンチム)強制収容所が一九四五年のこの日に解放されたことにちなみます。英国では二〇〇〇年、当時のブレア政権が設定し、翌〇一年から毎年記念行事を実施してきました。国連も〇五年、同じ日を国際的なホロコースト記念日に設定しました。