2008年1月25日(金)「しんぶん赤旗」
高速道トンネル手抜き
コンクリ厚不足
上信越道 現場監督が告発
長野県中野市の上信越自動車道(豊田飯山IC〜信濃町IC間)熊坂トンネル工事(延長八百一メートル)で、トンネルを覆うコンクリート厚が著しく不足する“手抜き”工事が行われていたことが二十四日、分かりました。
工事発注者の東日本高速道路新潟支社が同日、新潟・長野両市内で記者会見し、「施工不良」を認めました。
熊坂トンネル工事の“手抜き”については、工事下請け会社の現場監督が社内で告発。受け入れられず全日本建設交運一般労働組合(建交労)や、日本共産党の穀田恵二衆院議員などに訴えたもの。建交労や穀田氏が国土交通省に働きかけ、調査・指導を要求していました。
同新潟支社の調査によると、覆工コンクリート厚不足が二カ所。正規厚三百ミリが、最大十七ミリ不足していました。空隙(くうげき)も七カ所見つかり、同社は七十メートルにわたる不良個所を再施工しています。
施工不良の原因について同支社は、「工事請負人が弊社へ報告すべき事項を報告せず、請負人独自の判断で工事を実施したことに起因する」と説明。同省は「安全上の問題はない。コンクリートをうつさい、型枠の位置がずれていたため」といいます。
熊坂トンネル工事の請負人は、ピーエス三菱と北野建設の共同企業体。下請け業者は轟組です。