2008年1月22日(火)「しんぶん赤旗」
“2分短縮”に巨額税金
市田書記局長が指摘
「道路中期計画」のムダ
政府・与党がガソリン税などの道路特定財源の税率を引き上げている暫定税率を今後十年間維持する方針をとる根拠にしている「道路の中期計画(素案)」は、一見したところでもムダばかりです。二十日のテレビ討論番組では、日本共産党の市田忠義書記局長が、ムダの象徴的な例を紹介しました。
市田氏が紹介したのは、計画の総額・五十九兆円のうち二十四兆円(約四割)を占めている「国際競争力の確保」。この中の「基幹ネットワークの整備」には、「拠点的な空港・港湾からICへのアクセス改善」という項目が含まれています。
ここでは、拠点空港・港湾(七十一カ所)から高速道路のインターチェンジに十分間以内にアクセスすることができない所が二十二カ所あるとして、このうち十五カ所について改善を図るとしています。
しかし、改善の対象とされる港湾を調べると、いまでも八カ所は十二分〜十八分でアクセスが可能です。(表参照)
市田氏は同日のテレビ番組でパネルも示しながら「十二分のところを二分縮めて“国際競争力の強化だ”と、(与党は)そういうことも含めて五十九兆円(が必要だと)。そのために暫定税率維持だといっている」と批判。十年間で、五十九兆円も道路整備に使うという“総額先にありき”の同計画を撤回することが求められていることを示しました。
自民、公明の与党は計画に含まれている「開かずの踏切」対策など身近な道路整備をさかんに宣伝していますが、必要な道路整備は、市田氏が指摘したようなムダをなくせば、暫定税率を廃止し、道路特定財源を一般財源化してもすすめることができます。
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