2008年1月20日(日)「しんぶん赤旗」
温室効果ガス 2030年ゼロ
20年前倒し合意
ノルウェー与野党
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【ロンドン=岡崎衆史】ノルウェー政府は十七日、地球温暖化を進める温室効果ガスの排出量を二〇五〇年までにゼロにする政府目標を二十年前倒しし、二〇三〇年までに実現することで与野党が合意したと発表しました。
排出ゼロ目標は、国内での温室効果ガス削減と、京都議定書で温室効果ガス削減分として認められる途上国での森林保護活動支援などを通じて、差し引きの排出量をゼロにするというもの。温室効果ガス削減分のうち、三分の二が国内で達成され、残りが国外で削減されるといいます。
ストルテンベルグ首相は、与野党の合意によって「政府の入れ替えに左右されずに長期的な気候変動政策が実施できる」と合意を歓迎しました。
目標実現に向けてノルウェー政府は、二〇一〇年までに、再生可能エネルギーと炭素ガス貯蔵の研究に最低六億クローネ(約百十四億円)を充てると表明しました。
また、自家用車の利用を減らすため、ディーゼル燃料税とガソリン税をそれぞれ上げる一方で、公共交通への投資を増やすことを約束。鉄道への投資は来年二億五千万クローネ(約四十七億五千万円)増やし、交通部門の温室効果ガス削減のプロジェクトには五千万クローネ(約九億五千万円)が充てられるといいます。
さらに、途上国での森林保護を進めるため、毎年三十億クローネ(約五百七十億円)の支出を検討しているといいます。
ノルウェー 人口約四百七十万の北欧の産油国。面積は日本とほぼ同じ三十八万平方キロ。北大西洋条約機構(NATO)の創設メンバーである一方で、欧州連合(EU)には未加盟。
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