2008年1月19日(土)「しんぶん赤旗」

二重派遣のグッドウィルに処分

違法追及してきた「赤旗」


 日雇い派遣最大手グッドウィルの全七百八事業所への二―四カ月の事業停止命令という行政処分が十八日、実施されました。同社の二重派遣などの違法行為は、本紙が連載などで再三報道してきたものです。(今田真人)


 「夕べ、千葉県のJR二俣新町駅前から、トラックの荷台に乗せられて、仕事場に連れていかれた。モノ扱いのようで不安でならなかった」

 グ社の日雇い派遣労働者の男性から、こんな電話があったのは、昨年九月のことでした。

 この告発から本紙は、グ社→西武運輸→DHL(外資系大手運送会社)という、二重派遣の実態を明らかにしました。

社長の詫び文

 この実態は、当時、各社の担当者が本紙の取材で認めていました。

 これが世論を動かし、西武運輸は今年の一月十日、みずからのホームページに、同社の古賀明典社長名の「お詫(わ)び」という文書を発表。「昨年八月から九月ごろ、千葉地区の当社事業所にて二重派遣ならびに道路交通法違反の事実がございました」と正式に謝罪しました。

 道路交通法違反の事実とは、同法第五五条が禁じるもので、トラックの荷台に多数の労働者を乗せて運んだことです。

 佐川グローバルロジスティクスが介在したグ社の二重派遣も、グ社の日雇い派遣労働者の本紙への次のような告発がきっかけでした。

 「佐川急便の配送センターの倉庫作業だという説明を、グ社支店の担当者から受けて、集合場所に行きました。しかし、佐川の人に連れていかれたところは、ハピネットという会社の千葉県内の倉庫。これは二重派遣だと思いました」

 この告発をもとに、最終派遣先のハピネットの倉庫にいった記者に、当時の同社幹部が事実関係を認めつつも「何が悪いのか」と大きな声で居直ったこともありました。

 この佐川グローバルロジスティクスの介在する二重派遣は、今年一月七日、静岡県を舞台にした事例を「朝日」が報道。同社は同日、本紙の問い合わせに「報道されていることは、すべて事実です」(総務課)と認めました。

国会でも質問

 また、東京労働局は十一日、佐川グローバルロジスティクスに対して、グ社への処分とともに、事業改善命令を出し、同社の全事業所の総点検を指示しています。

 日本共産党国会議員団も本紙報道を受け、山下芳生参院議員がグ社の日雇い派遣労働者と面談し、JR二俣新町駅前にも早朝出向き、現地調査を実施。国会質問(昨年十一月五日の参院行政監視委員会)で取り上げ、グ社の違法行為の是正を舛添要一厚生労働相に迫りました。

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