2008年1月18日(金)「しんぶん赤旗」
「君が代」不起立者氏名収集
神奈川県個人情報保護審
「不適」と答申
神奈川県下の高等学校や養護学校など県立学校の入学式などで、「君が代」斉唱時に起立しなかった教職員の氏名を県教育委員会が収集している問題について、県個人情報保護審議会(兼子仁会長)は十七日夜の審議で答申をまとめ、収集を行うことは「不適」との見解を示しました。
「君が代」不起立の教職員名のリストづくりについては、昨年十月二十四日、高校の教職員からの異議申し立てを受けて県個人情報保護審査会(矢口俊昭会長)が、県教委が収集した情報は県個人情報保護条例で原則取り扱い禁止とされている思想信条に該当するとの判断を示す答申を出しました。今回の審議会答申はこれに続くもの。
同答申は、不起立について、憲法一九条に定める「思想及び良心の自由」の保障と深く関係していると指摘し、「(氏名収集の)正当性及び必要性を積極的に認め、諮問内容を適当とする答申を行うことはなしがたい」と結論付けました。ただし、「最終的にいかなる職権行使をするかは、実施機関である県教委に条例上委ねられている」としています。
県教委は、氏名情報の収集を正当化するため、県個人情報保護条例第六条のただし書きなどを根拠に同審議会に諮問していましたが、認められませんでした。
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