2008年1月18日(金)「しんぶん赤旗」
温暖化防止
EU「妥協せぬ」
欧州委員長 目標達成を約束
【ロンドン=岡崎衆史】欧州連合(EU)の執行機関・欧州委員会のバローゾ委員長は十六日、EUは今年前半、地球温暖化対策と再生可能エネルギー促進の取り組みを大幅に前進させることを重要課題とすると表明しました。仏ストラスブールの欧州議会での演説で述べたものです。
バローゾ委員長は温暖化対策について、気候変動対策でEUが世界をリードし、エネルギー安全保障を実現し、経済競争力を高めることにつながると指摘。「欧州の利益になることに対して妥協することはない」と訴えました。二〇二〇年までに一九九〇年比で温室効果ガスを20%削減し、再生可能エネルギーをエネルギー全消費の20%にするとのEU目標を達成することを約束しました。
再生可能エネルギーに関するEU目標の実現に向け、欧州委員会は二十三日、EU加盟国別の目標を発表する予定です。
バローゾ委員長はまた、「欧州産業の競争力(への否定的影響)を理由に気候変動とのたたかいに反対するのは間違いだ」と述べ、産業界の一部などにある考えに反論。温暖化対策は、新たな市場と雇用を生みだす「経済的機会」だと訴えました。
同委員長は温暖化問題のほか、EU域内の経済成長と雇用確保のための方針である新リスボン戦略達成と、新基本条約・リスボン条約の発効に向けた取り組みについても力を入れることを表明しました。
リスボン戦略については、過去二年で六百五十万人の雇用を生みだすことにつながったと評価。〇九年までに最大五百万人の雇用を新たに創出すると述べました。
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