2008年1月18日(金)「しんぶん赤旗」
アセス方法書 直せ
県審査会が答申まとめ
沖縄新基地
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沖縄県名護市辺野古の新基地建設問題で、環境影響評価(アセスメント)方法書を審議している県環境影響評価審査会(会長・津嘉山正光琉球大学名誉教授)が、十六日夜、那覇市で会合を開き、沖縄防衛局に対し、埋め立て部分の方法書書き直しを強く求める答申をまとめました。答申は、昨年十二月に仲井真弘多知事に提出した飛行場部分の答申に続くものです。
審査会は十八日に知事に答申提出の予定。知事は答申を受け、二十一日に知事意見を沖縄防衛局に提出します。
審査会審議では、答申案前文の表現について、異論が続出し、「方針書の手続きを再度実施すべきだ」と、踏み込んだものに改められました。
また、防衛局が行っているアセス法違反の事前調査(環境現況調査)についても、委員の指摘を受け、答申案の「中止を含め検討させる必要がある」から「中止すべきである」との強い表現に改められました。
防衛局が十一日の審査会で新たに提出した百五十ページに及ぶ追加資料について、その手法も含め批判が集中しました。
副会長の宮城邦治沖縄国際大学総合文化学部教授は、事業内容が小出しに出されることについて、「審査会が軽んじられている。実際は青写真ができているはずだ」と不快感をあらわにしました。
追加資料で、埋め立てに使用の海砂約千七百万立方メートルを沖縄本島周辺から採取することが初めて明らかになったことに対しても、委員の前門晃琉球大学法文学部教授は、「県のほとんどの砂浜がなくなる。この事業計画はだめだ」と強く批判しました。
津嘉山会長は「内容のない方法書が出されたわけで、審査会として議論のできるものになっていない。実質上書き直しをしてほしいということだ」と述べました。審議の結果、答申で書き直しを強く求めていくことで一致しました。
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