2008年1月12日(土)「しんぶん赤旗」
名護・新基地
県環境アセス審査会
委員から批判相次ぐ
沖縄県名護市辺野古の新基地建設問題で、県環境影響評価審査会(会長・津嘉山正光琉球大学名誉教授)は十一日、宜野湾市で、昨年十二月に提出された飛行場建設での知事意見に続き、今月二十一日に知事意見締め切りの迫る公有水面の埋め立て部分についての審査会を開きました。
沖縄防衛局は、これまでの審査会の答申や知事意見において「事業内容や工事計画が明らかにされていない」という指摘を受けたことを踏まえ、埋め立て部分については「現在詳細について日米間で協議を継続しているところであり、確定的なものを示すことができる段階にはない」としながらも、新基地建設本体の工事計画、護岸および作業ヤード、工事用仮設道路、埋め立て土砂に関する事業内容を明らかにしました。
質疑応答では、審査会委員から厳しい意見が相次ぎました。
都市科学政策研究所代表取締役の備瀬ヒロ子委員は、アセス法違反の事前調査を防衛局が二月にも強行着手すると新聞報道されていることについて、「(二十一日に知事意見が迫っているなかで)このまま上滑り的な手続きだけが進むと、審査会が意見を述べる場がなくなる」と、防衛局の姿勢を厳しく批判。津嘉山会長は、「環境影響に関する調査は少なくとも一、二年は経ないときちんとした結果が出ない」と述べ、七月にも準備書を出し、二〇一四年完成にむけ来年にも埋め立て工事の着手を強行しようとしている防衛局の姿勢を批判しました。
この日結論は出ず、十六日に再び審査会を行い、知事に提出する答申案をまとめる予定です。
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