2008年1月11日(金)「しんぶん赤旗」

イラク人死亡15万人

開戦3年 国連機関が推計


 【ワシントン=山崎伸治】二〇〇三年三月のイラク開戦から約三年間に暴力行為が原因で死亡したイラク国民は十五万一千人になるとの新たな推計が明らかになりました。国連専門機関である世界保健機関(WHO)とイラク政府の合同調査によるもの。九日、米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メデシンのウェブサイトに結果をまとめた論文が掲載されました。

 調査は、イラク厚生省の職員が〇六年終わりから〇七年初めにかけて、イラクの全十八州で約九千七百世帯を戸別訪問して死者数を集計。結果に基づいてイラク開戦から〇六年六月までの暴力行為による死者を十五万一千人(最大で二十二万三千人、最小で十万四千人)と推計しました。

 この結果について論文は、イラク開戦から約三年間「暴力がイラクの成人の主な死因の一つであり、十五歳から五十九歳の男性の主要な死因となっている」と指摘。「莫大(ばくだい)な死亡者数であることを示しており、それは現在進行中の人道的危機がもたらす多くの健康上の結果、人的結果の一つを現しているにすぎない」としています。

 イラク開戦以来の民間人死者数をめぐっては、イラク・ボディー・カウントが昨年末までで最低八万一千百七十四人、最高八万八千五百八十五人と推計。英医学専門誌『ランセット』は〇六年十月、同年六月までで六十五万四千九百六十五人との数字をまとめています。



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