2008年1月11日(金)「しんぶん赤旗」
米軍が有事訓練強行
連日深夜から早朝までサイレン鳴り響く
沖縄・嘉手納基地
町が即時中止要求
沖縄県の米空軍嘉手納基地で七日から、有事を想定した即応訓練が強行されています。同訓練は十一日まで行われる予定です。米軍嘉手納基地報道部の発表した文書によれば、今回の訓練は同基地所属の第十八航空団単独によるもので、「一年を通して実施される通常の訓練」としていますが、詳細は明らかにしていません。同基地では、昨年十二月に山口県岩国基地所属の米海兵隊と合同による大規模即応訓練を強行実施したばかり。度重なる訓練の強行に地元住民は反発を強めています。
同町では連日深夜から早朝にかけて、拡声機による英語での放送やサイレン音が鳴り響き、周辺住民の安眠を妨げています。
早朝五時から同基地沿いにある「黙認耕作地」で作業をしていた男性は「ここで生まれ育ったので騒音には慣れてしまったが、この前の訓練ではあまりの爆音に驚いておばぁが家から飛び出してくるなど、本当にひどかった」と話します。
同基地の真向かいに位置する同町字屋良に住む女性(83)は、「どこにうっぷんをぶつけたらいいか分からない。日本政府はアメリカに何も言わず弱いものいじめばかり。情けない世の中さー」と怒りをあらわにしました。
嘉手納町基地渉外課によると、同基地から訓練の連絡を受けた町は七日、米軍に対し口答で訓練の中止を要請。九日には訓練の即時中止を求め、同基地司令官にたいし文書で強く抗議しました。
抗議文では「即応訓練によって多くの町民が不安と恐怖に陥っている」として、訓練の中止を訴える町民の声を紹介。そのうえで「(同訓練は)過去にも再三トラブルを起こしており断じて容認できるものではない」と訓練の中止を強く求めています。
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