2008年1月11日(金)「しんぶん赤旗」
西武運輸、違法認める
二重派遣と労働者荷台輸送
本紙が指摘
西武グループの運送会社、西武運輸(本社・埼玉県所沢市)は十日、二重派遣や、派遣労働者をトラックの荷台で運ぶなど、違法行為をしていたことを、同社ホームページの「お詫(わ)び」と題する文書などで正式に認めました。
この事実は、本紙の連載「ハケン集う駅――追跡グッドウィルの日雇い」(昨年十月十三、十四、十六日付)が初めて明らかにしたものです。
西武運輸は昨年八月中旬から約一カ月間、千葉県市川市のJR二俣新町駅前で、グッドウィルの日雇い派遣労働者数十人を一次派遣先である同社のトラックの荷台に乗せ、最終派遣先に運び深夜の倉庫作業をさせていました。最終派遣先は、市川市内の外資系大手運送会社DHLの倉庫です。
西武運輸によると、全国の事業所で、グッドウィル以外の派遣会社も含め、約十カ所で二重派遣の事実があったとし、現時点までにすべて改善したといいます。「関係者については、社内の規定に基づき処分をし、再発防止を徹底する」(同社総務課)と話しています。
二重派遣は、職業安定法第四四条が禁じる「労働者供給事業」。多数の人間をトラックの荷台に乗せて運ぶ行為は道路交通法第五五条に違反しています。
■関連キーワード