2008年1月8日(火)「しんぶん赤旗」

「日経」が消費税上げ提言

年金財源 企業の負担減主張


 日本経済新聞は七日、「基礎年金の財源を保険料から全額消費税に置き換える」ことを提言した同新聞社の研究会報告を発表しました。当面は、「消費税率引き上げ幅は5%前後」と明記。その後の上げ幅は「国民の選択」としながらも、「さらに上げざるを得ないとみられる」と将来の税率アップは不可避との立場を示しています。

 一方、基礎年金の保険料は、国民年金、厚生年金ともに廃止するとしています。これにともない、現在、企業が負担している厚生年金保険料・年間三兆七千億円がなくなります。提言でも「企業部門はこの分が負担減となり、家計部門の負担は増す」と認めるほど露骨な企業優遇の内容です。このため提言では、「企業負担軽減分は非正規労働者の厚生年金加入拡大」にあてるとしましたが、具体策は明示していません。

 また、提言では、「与野党は年金制度を政争の具とせず」「超党派で真摯(しんし)に議論し、制度改革の合意形成を」と主張しています。

 論説委員会と東京本社編集局が主体となる「年金制度改革研究会」を昨年九月に発足させ、議論し報告をまとめたものです。経済財政諮問会議議員の八代尚宏・国際基督教大教授らから意見を聞いたとしています。

 年金財源を消費税アップでまかなうという提言を新聞社としてまとめ、一面トップと見開きページで大特集するのは、きわめて異例といえます。



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