2008年1月8日(火)「しんぶん赤旗」
佐川子会社が二重派遣
グツドウイルの1万人
事業改善命令へ
佐川急便グループの持ち株会社SGホールディングスの子会社、佐川グローバルロジスティクス(東京都品川区)が二重派遣を行っていたとして、厚生労働省は七日までに、労働者派遣法にもとづく事業改善命令を出す方針を固めました。静岡県内で、日雇い派遣大手グッドウィルから派遣された労働者、延べ約一万人をさらに別会社に送り込んで働かせていたもの。同省は昨年十二月十九日付で処分予定を通知、佐川グローバルロジスティクスの弁明(提出期限八日)を待って正式決定します。同社の二重派遣については、本紙は昨年十月、千葉県内の事例を報道しています。
二重派遣は、本当の雇用主の責任をあいまいにし、二重の中間搾取(ピンハネ)で賃金をいっそう引き下げます。このため、職業安定法第四四条で禁じる「労働者供給事業」にあたります。今回の違法派遣についてはグッドウィルが先に処分予定の通知を受けています。
事業改善命令は、労働者派遣法第四九条にもとづくもので、「派遣労働者に係る雇用管理の方法の改善」などを命じることができます。佐川グローバルロジスティクスは物流会社ですが、派遣事業もしています。同社は二○○四年十一月から昨年八月まで、グッドウィルからの派遣労働者に静岡県内の別会社の倉庫で箱詰め作業などをさせていました。
佐川グローバルロジスティクスに過去数年間で十日程度派遣された経験を持つグッドウィルの日雇い派遣労働者の男性=東京都内在住=は「佐川の二重派遣先は、大手企業のハピネットやアマゾンなど、本当にあっちこっちだった。佐川は二重派遣により、何もせずに派遣労働者の賃金をピンハネし、懐に入れていたわけです。今回の処分では、そのピンハネ分を派遣労働者に還元させてほしい」と話しています。
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