2008年1月4日(金)「しんぶん赤旗」
国民の利益を守って
日本共産党国会議員に聞く
庶民に増税 大企業に減税
「逆立ち」をただせ
佐々木憲昭衆院議員
日本共産党は庶民増税、大企業減税の「逆立ち」税制をただせと奮闘してきました。その役割などについて佐々木憲昭衆院議員に聞きました。
―国会での論戦を通じて、福田内閣の本質が見えてきました。
私が税制のあり方をただしたとき、「企業が国を選ぶ時代だから、(法人税減税は)世界の共通の常識だ」と額賀財務相が強弁したのには驚きました。
大企業はバブル期の二倍近い空前の利益をあげているのに、税負担が逆に減っているのは、どう考えても納得できません。
これは、自民・公明政権が大企業減税を続けてきた結果です。私は「もうけている大企業に応分の負担を求めよ」と首相に迫りました。
ところが、首相はこの当たり前のことを一切認めませんでした。国民には次々と負担を押し付けながら、財界・大企業にはまったくものが言えないのです。
与党への審判
―昨年の参院選では、「社会保障抑制」「構造改革」路線に厳しい審判がくだされましたね。
消えた年金や事務所費の問題に批判が高まった背景には、「国民に痛みを押し付けながら、あのいいかげんなカネの扱いはなんだ」という怒りがありました。それが与党への厳しい審判として示されたのだと思います。
年金、医療、介護の負担増に加え、所得税・住民税の大増税など、二〇〇七年は、庶民負担の「痛み」がピークに達しました。その大もとに「構造改革」路線がありました。
他方で「大企業の利益は二倍なのに税負担は減少」「大手銀行は法人税ゼロ」「七人の大資産家に証券優遇税制で二百億円の減税」…。私は、大企業・大資産家優遇の実態もあわせて暴露してきました。
これらの質問には大きな反響がありました。
―増税勢力の狙いが消費税増税であることを明らかにし、追及してきたのも日本共産党ですね。
そうです。私も、繰り返し消費税増税に反対する論戦をおこないました。
参院選のなかで、安倍首相(当時)が「(消費税を)上げないとは一言も言っていない」と思わず本音を口にしました。
これが、六月からの住民税増税に直撃されている国民に、「そのうえ消費税も増税か」と怒りに火をつけました。参院選での与党の大敗は、文字通り増税勢力への厳しい審判でした。
―「逆立ち」税制の「根本的転換」を求めると同時に、くらしの「痛み」を軽減するために奮闘されてきました。
たとえば、要介護認定を受けている高齢者に障害者控除をきちんと適用すべきだとせまった質問で、全国の取り組みに弾みがつき、多くの高齢者から「減税になった」と喜ばれました。
また、所得税から住民税への税源移譲に伴い、前の年よりも収入が大きく落ち込んだ人が増税になる問題をとりあげました。私は、軽減措置があるのに知らされていないのが問題だと指摘し、周知徹底を「前倒しで実施する」という答弁を引き出しました。
証券優遇税制が原則廃止されたのも、私たちが「大金持ち減税」と追及し、国民の批判が大きくなったことが背景にあります。
―これから予算案の審議が始まりますね。
額賀財務相は〇八年度予算を「改革と成長の予算」と命名しましたが、それは大増税・社会保障改悪の「構造改革」路線を継承するメッセージです。大増税への「橋渡し」予算と言えます。
国民の批判をうけ、後期高齢者医療制度の「凍結」などと言っていますが、中身はごまかしです。四月からは怒りに火がつくでしょう。
政府・与党内から「社会保障削減はもう限界だ」との声が聞こえてきますが、それも、消費税増税への布石になっています。
「聖域」にメス
―「構造改革」路線に対置して、日本共産党は何を訴えますか。
〇八年は、消費税増税を強行しようとする勢力と、それを阻止する勢力が激しくぶつかりあう年になります。
私たちは、浪費をなくし、ゆきすぎた大企業・大資産家減税と軍事費の「二つの聖域」にメスを入れれば、消費税に頼ることなく社会保障の財源を生み出すことができ、そうしてこそ財政再建の道も開けると主張し、世論を広げていきます。
(聞き手 山田英明)
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