2008年1月1日(火)「しんぶん赤旗」

主張

2008年

新しい政治に向け前進の年に


 あけまして、おめでとうございます。二十一世紀になって八年目、二〇〇八年の幕開けです。

 昨年は、世界でも、日本でも、激動の一年でした。しかしそのなかでも、戦争のない世界と国民が主人公の日本を切り開いていく、たしかな流れ・方向が、見えてきたのではないでしょうか。日本では、参院選挙での与党の敗北、安倍政権の崩壊などをうけて、自公政治に代わる新しい政治への国民的な探求が始まっています。ぜひとも新年を新しい政治に向けた、たしかな前進の年にしたいものです。

自民党政治に代わって

 「この一年を一言で締めくくるとしたら」「『夜明け前』という感じですね」―昨年末、テレビ・インタビューに答えた日本共産党の志位和夫委員長のことばです。論壇には「改革」や「立て直し」をうたった出版や論文があふれています。内政でも外交でも、これまで自民党政治が続けてきたやり方が通用しなくなり、それに代わる政治が正面からの主題になっているのです。

 自公が敗北した参院選後の安倍政権の崩壊と福田政権の誕生、自民・民主の「大連立」の動きなどを通じて、自民党政治の行き詰まりの深刻さはいよいよ明らかになりました。安倍政権に代わった福田政権は、靖国神社への参拝問題で前政権との違いは見せても、アメリカいいなりと大企業本位の基本路線を変える意思も力もありません。

 福田政権が国会を「越年」させてまで成立させようとしている新テロ法案は、アメリカの戦争を支援するだけでテロは根絶できず、世界と日本の平和に逆行するものです。大企業・大資産家を喜ばすだけで国民の貧困と格差を拡大する「構造改革」路線では、国民の暮らしと経済を立て直すことはできません。

 参院選後、参院で与党が過半数を割った新しい政治状況も生かし、インド洋からの自衛隊の撤退、高齢者医療制度や障害者自立支援法の見直し、薬害肝炎の患者救済、違法な労働者派遣事業の規制など各方面で国民の運動が政治を動かしています。しかし、どの問題も自民党政治の基本路線をそのままにしては、根本的な解決は望めません。軍拡と大企業減税を聖域にした社会保障費削減路線のもとで、消費税増税の策動が加速しているのもそのためです。

 二〇〇八年は先進国を先頭に地球温暖化を規制する「京都議定書」の目標達成の初年度です。しかし、温室効果ガスの排出削減も日本経団連の「自主」努力まかせにしている日本は、「議定書」から脱退したアメリカとともに、世界の流れに背を向けています。対米従属と大企業中心主義の政治を根本から改革することがここでも求められています。

根本から政治の転換を

 福田政権の支持率は、発足からわずかの間に急落しました。政治を変えてほしいという願いが、国民の間に渦巻いています。しかし、政治の側に、日本の政治の根本的な悪であるアメリカいいなりと大企業本位をただす立場と勇気がなければ、それにこたえることはできません。

 その方向を根本から明らかにしているのが、日本共産党であり、その綱領です。綱領の方向と、国民の切実な願いが、ますます接近・合流してきたというのが実感です。

 年内には総選挙も予想されます。日本共産党は、綱領と日本の前途を語る国民との対話を広げ、日本共産党の前進で新しい政治を切り開くため、いっそう力をつくす決意です。


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