2007年12月30日(日)「しんぶん赤旗」

政党助成 13年間 4080億円

福祉予算削りながら

自公民 使途全面公開棚上げ


 赤ちゃんからお年寄りまで国民一人二百五十円の税金が充てられる政党助成金の二〇〇七年の最終分(七十九億七千八百万円)が、自民、民主、公明、社民、国民新、新党日本の各党に交付されました(二十日)。この結果、一九九五年の制度実施から十三年間の支給総額は四千八十億円に達しました。「財政再建」の名で国民に負担増・福祉切り捨てを押し付けながら、日本共産党以外の政党が労せず税金を山分けしています。


 自民、民主、公明、社民などの賛成で二十一日に成立した「改正」政治資金規正法。国民の税金を原資としている政党助成金の使途を全面公開するのは当然なのに、今回の「改正」では、全面公開の対象から除外されました。実務担当者の協議では賛成したのに、土壇場で自民党が先送りしたのです。マスメディアも「本来ならば真っ先に公開されてしかるべきだ」(山陽新聞七日付社説)、「改善すべきことが残っている」(東奥日報、同)と問題にしています。

 一方、二十四日に閣議決定された〇八年度予算案では、今年と同じ三百十九億四千万円が計上されました。

 政府は、ひとり親家庭に支給される生活保護費の母子加算(十五歳以下)を今年度から〇九年度にかけて廃止しようとしていますが、その削減額は今年度で約五十億円。公明党が今年受け取った政党助成金二十八億六百万円の一・七倍にすぎません。母子加算削減は三年間では百八十億円が見込まれます。政党助成金の一部を回せば廃止しなくて済みます。

 小泉内閣は〇四年度から三年かけて生活保護の老齢加算を廃止し、生活保護を受けている高齢者から総額三百七十億円(三年間)の収入を奪いました。三百十九億円にのぼる政党助成金をやめれば、老齢加算の復活も可能になります。

 政党助成金は、いったん政党に渡れば、あとは何に使おうと勝手放題の“つかみ金”です。今月七日には、自民党の武部勤元幹事長の二男が経営する会社に対し、同党本部が受け取っていた政党助成金から翻訳料として三十万円が支払われていたことが明らかになりました。


 政党助成金 1994年の「政治改革」関連法で小選挙区制とセットで導入。受け取りを請求した政党に、国政選挙の議席数と得票数に応じて年4回(4月、7月、10月、12月)に分けて配られます。日本共産党は、支持してもいない政党に事実上の献金を強制する仕組みで思想・信条の自由を定めた憲法の趣旨に反するとして、政党助成金制度の廃止を一貫して主張し、制度導入以来受け取りを拒否しています。

グラフ

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