羽曳野市は賃料請求せよ

ハンナン元会長の不法占有を認定

５千３百万円相当

　牛肉偽装事件で逮捕・起訴された「ハンナン」元会長の浅田満被告の関連会社に対し、羽曳野市が市の管理地一千坪を月一万円の安値で賃貸している契約などは不当だとして、市民ら四百四十三人が契約取り消しと損害賠償を求めた訴訟の判決が二十七日、大阪地裁でありました。廣谷章雄裁判長は、浅田被告とグループ会社、福谷剛蔵前市長らに対し、計約五千三百万円の賃料相当金と、土地の一部明け渡しの請求を行うよう北川嗣雄市長に命じました。

　裁判では、一九九九年に福谷市長（当時）がおこなった賃貸契約のほか、市管理地だった一部土地を、約三分の一しかない面積のハンナン系企業所有地と「等価交換」していた点が争われました。

　判決では、九一年から契約まで不法占有について、損害の支払いを羽曳野市が請求できると指摘。一方、契約以降は住民訴訟ができる期間をすぎているとして却下し、契約対象外である水路について明け渡し請求を行うよう命じました。

　裁判の傍聴には、原告団ら七十人近い市民が参加しました。閉廷後、裁判に取り組んできた「ハンナン言いなり市政を許さない市民の会」の杉山彬、湯浅省吾両原告団代表らが記者会見。「（問題は）福谷前市長と浅田氏との癒着関係の結果。不法占拠があることが認められた」と判決を評価し、「このような司法の判断が出た以上、北川市長は判決に従って行動すべき」だと強く求めました。