2007年12月28日(金)「しんぶん赤旗」
軍需社員の日当16万円
07年度にさらに増額
井上議員 防衛省の「見直し」を批判
装備品の研究開発の試験、設計にあたり、軍需企業側から受け入れた技術者や職員に防衛省技術研究本部が、「日当」として研究費の一部を事実上補助している「労務借り上げ」問題で、その「日当」が高すぎると批判されて「見直し」をしたにもかかわらず、その後、さらに高額になっていたことが分かりました。日本共産党の井上哲士議員が二十七日の参院外交防衛委員会で指摘したものです。
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井上氏は二十五日の同委員会で二〇〇六年度の実績を示し、「日当」が十三万九千五百円(日本電気)に及ぶケースもあると批判。防衛省は、高いとの批判を踏まえて、昨年「見直しを行った」と答弁していました。
二十七日の同委員会で井上氏が示したのは、この「見直し」後となる〇七年度の実績(十一月末まで)でした。同実績は、二十五日の追及後に防衛省が井上氏に明らかにしたものです。
これによると、最高額は十六万七千九十二円(ダイセル化学工業)で、日本電気も十五万四百四十五円。上位二十社の平均でも、〇六年度(九万八千七百五十九円)より増え、十万五千八百八十九円に達します。
井上氏は「(『見直し』後に)逆に日当が上がるのは全く逆行だ」と批判。見直し策をまとめた報告書(〇六年)は「労務借り上げ」の予定価格が「各企業が実施している原価計算の方法を基礎としている」と述べていることも挙げ、「事実上、企業側の言い値になっているから高値になる」と批判しました。
石破茂防衛相は「(井上氏の)ご指摘はその通りだ。防衛省として(企業側の)原価計算が正しいかを見る目を点検し直さないといけない」と答弁しました。
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