2007年12月27日(木)「しんぶん赤旗」

ハンセン病患者へ年金

強制隔離に国家賠償

ブラジル


 【メキシコ市=松島良尚】国家の手によって専門施設に隔離、収容されたブラジルのハンセン病患者に対し、政府がその賠償として今月から終身年金を支給することになりました。国営通信が二十四日、報じました。

 この措置は貧困対策を重視するルラ大統領が五月に発令したもので、ハンセン病患者に対する初めての国家賠償です。終身年金は、最低賃金の倍相当の月額七百五十レアル(約四万八千円)。これまでに申請が認められた第一次グループ・二十二人への年金は五月にさかのぼって年末までに支給され、十二月に承認された三十四人には一月末までに支給されます。

 国立社会保障院(INSS)のデパウラ人権問題顧問によれば、ハンセン病患者を社会や家族から強制的に隔離し、療養所に入所させる政策は一九二〇年から八六年まで続きました。

 ハンセン病が完治していても、化学治療のために他の病気を併発している人が少なくありません。そのため仕事に就けず、すでに高齢になっている人がほとんどです。

 終身年金の受給資格を持っている人は、三千人から四千人と推定されています。デパウラ氏は、来年中に少なくとも申請の七割に対応すると語っています。


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