2007年12月26日(水)「しんぶん赤旗」
強制された「集団自決」
沖縄の真実を教科書に
検定撤回求め 文科省に要請
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沖縄戦「集団自決」をめぐる高校教科書の検定問題で、日本軍による「強制」や「強いた」という文言を使わないよう、文部科学省の教科書調査官が教科書会社に求めていたことが明らかにされるなか、「沖縄戦教科書検定の撤回を求める市民の会―東京―」は二十五日、検定意見の撤回を求めて文部科学省に二度目の要請をしました。同省前の宣伝行動でビラを通行人に手渡しました。
「本当にいい教科書を作ろうとしているのか疑わしい」と要請を終えて語った同会代表の阿部ひろみさん(51)は、参加者や通行人を前に報告。教科書会社の訂正申請が審議途中のため、詳しいことはいえないなどと従来の答弁を繰り返した文科省の態度を批判しました。
阿部さんは応対した同省教科書課の課長補佐に対し「(体験者が)本当につらい悲しい思いをこらえながらも証言している、そのことが本当の事実。全国の子どもたちが使う教科書です。本当の事を書いてほしい」と訴えました。
練馬区の男性(54)は「今回の検定意見は文科省が恣意(しい)的につくりあげたものだということを最後まで追及したい」とのべました。先日結審した大江・岩波「集団自決」裁判で、軍の命令はないと主張する原告側代理人が「無理心中としての集団自殺」といった表現をしたことに触れ、「こんな言葉を許すようなことをさせてはいけないと強く思った。引き続きがんばっていきたい」と語りました。
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