2007年12月25日(火)「しんぶん赤旗」

NHK会長

選任過程の透明化を

旧デジ懇有志と推薦する会 経営委に申し入れ


 次期NHK会長の選任過程をめぐり、旧「デジタル時代のNHK懇談会」(旧デジタル懇)有志と、「原さん、永井さんをNHK会長候補に推薦する会」(推薦する会)が二十四日、経営委員会に対し、それぞれ申し入れをしました。

 「経営委員会は視聴者への説明責任を果たしていない」と批判したのは、NHKが自主改革のために設けた旧デジタル懇(昨年六月解散)の有志です。座長の辻井重男・情報セキュリティ大学院大学学長ら十人が名前を連ねています。

 申し入れの後、吉岡忍委員(作家)、音好宏委員(上智大学教授)、長谷部恭男座長代行(東京大学教授)が記者説明を行いました。

 吉岡氏は、「経営委員会の議事録などを読む限り、公共放送NHKがめざすべき理念や将来像が真摯(しんし)に議論された形跡はない」とし、「NHKは受信料を負担している視聴者のものであり、経営委員会は重要事項の決定過程を視聴者にわかりやすく説明すべきだ」と語りました。

 長谷部氏は、「公共放送と一般企業の経営はまったく違う」と強調。自主自律を基本に視聴者との合意形成に努めることを求めました。

 この後、「推薦する会」世話人の松田浩氏(元立命館大学教授)、桂敬一氏(元立正大学教授)、野中章弘氏(ジャーナリスト)が記者説明しました。同会は、開かれた形のNHK会長選出を望む立場から、次期会長に原寿雄氏(元共同通信編集主幹)、永井多恵子氏(現NHK副会長)の推薦を決め、川口幹夫氏(元NHK会長)ら八十人に及ぶ賛同署名を添えて、経営委員会に申し入れをしています。

 松田氏は、NHK次期会長候補として財界人の名があがり、最終調整に入ったと報じられていることに対し、「透明で公正な会長選出とは逆に進んでいる。経営委員会が独自に決めるべきNHK会長人事を、経営委員会にはかる前に政府・与党に打診していたとすれば、許しがたいこと」と抗議しました。

 両者の申し入れは、NHK会長の議決が予定される二十五日の経営委員会で配布されます。


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