2007年12月22日(土)「しんぶん赤旗」
母子加算削減は違憲
北海道でも生存権裁判
9人提訴
生活保護の母子加算削減・廃止はやめてと北海道で九人の母親が二十一日、生存権裁判を起こしました。訴えたのは札幌市五人、小樽市三人(以上札幌地裁)、北見市一人(釧路地裁)です。京都、広島、青森での四人に続く提訴です。
生活保護の支給について、国は老齢加算に続き母子加算を今年度から削減し、二〇〇九年度に廃止します。「育ち盛りの子を抱えて、これ以上生活費や教育費を切り詰めることはできない」と、五月十八日に、母子家庭の母親ら三十五人が母子加算削減の取り消しを求めて北海道知事あてに審査請求しましたが、道は請求を棄却しました。
九人の母親は、母子加算の削減・廃止は憲法二五条の生存権に違反するとともに、子どもの「身体的、精神的、道徳的及び社会的な発達のための相当な生活水準」を規定した子どもの権利条約に違反するとして、それぞれの自治体の処分取り消しを求めています。
三人の子どもを持つ小樽市の女性(41)は「中学一年の長男が家計を気にして『高校に行かない。コンビニで働く』といっています。せめて高校は行かせたい」と声を震わせました。
提訴に先立ち、札幌地裁前では「生存権裁判を支援する北海道の会」の人たち六十人が集まり、原告を激励。日本共産党の紙智子参院議員がメッセージを送りました。