2007年12月19日(水)「しんぶん赤旗」
志賀原発付近に8本
活断層隠し 北陸電も
03年判明 公表せず
北陸電力志賀(しか)原子力発電所(石川県志賀町)付近の海底に、原発設置の申請時には活断層とは評価されていなかった断層八本が活断層の可能性のあることが明らかになりました。北陸電力は〇三年に、このことを認識していましたが、今月十七日まで公表しませんでした。
北陸電力によると、同原発設置前に、四本の活断層が判明していました。褶曲(しゅうきょく)構造(地層の曲がり)の下に活断層がある可能性が指摘され、〇二―〇三年に海底地形の再評価をした結果、新たに八本、活断層の可能性がある断層が明らかになりました。
原発から十五キロの距離にある断層は、マグニチュード(M)6・8の地震を、二十三キロの距離にある断層はM7・0の地震を起こすと想定されています。
北陸電力によると、これらの再評価結果について〇三年五月、経済産業省原子力安全・保安院に報告しましたが、原発の耐震安全性に影響を与えるものではないとして公表しませんでした。
今年三月に起きた能登半島地震(M6・9)も、同原発の設計時には想定されていない活断層による地震でした。
解説
国責任ですべて明かせ
原発付近の活断層の過小評価が大きな問題になっています。東京電力は今月初め、柏崎刈羽原発の設置許可申請時に活断層ではないとしていた同原発近くの海底断層を活断層と認めました。〇三年にはそのことが判明していたのに公表していませんでした。
〇二年に、原発の安全審査に関連し、活断層に対する考え方や評価の仕方で新たな考え方が示されたのにともない、各電力会社は原発近くの断層の評価を〇二―〇三年にかけてやり直しています。東京電力も、北陸電力も、〇三年に再評価の結果が明らかになりながら新たな活断層についての情報を公開しませんでした。
原発をもつすべての電力会社が、同様の再評価をしているはずであり、「活断層隠し」が行われていないかどうか、国の責任で明らかにすることが求められます。(前田利夫)
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