2007年12月18日(火)「しんぶん赤旗」
南米3カ国、統合を推進
ボリビア・チリ・ブラジル 道路事業に署名
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【メキシコ市=松島良尚】ボリビアの政府所在地ラパスで十六日、同国とチリ、ブラジルの三カ国首脳が太平洋と大西洋を結ぶ横断道路事業の覚書「ラパス宣言」に署名しました。目的は地域統合の推進と各国の経済発展です。
ボリビア国営通信などによれば、横断道路は大西洋に面するブラジル最大の貿易港サントスからボリビア東部サンタクルスやラパスなどを経て太平洋側のチリの二つの港、アリカとイキケを結びます。全長四千数百キロのほとんどは既存の道路ですが、大規模な輸送をふまえた拡張、改修工事が行われ、二〇〇九年に開通する予定です。
各首脳は署名後、「この道路建設は三カ国間の統合と信頼の血管だ」(ボリビアのモラレス大統領)、「域内諸国の真の統合が前進する」(チリのバチェレ大統領)、「域内の一つ一つの国の将来はその他の諸国の将来と結びついている。近隣諸国に背を向けた発展は考えられない」(ブラジルのルラ大統領)と述べました。
横断道路によって、ブラジルは太平洋側への輸出が容易になり、ブラジル、ボリビアからの物資輸送によってチリの港湾業務は活性化します。
また、内陸国ボリビアにとって海への出口はチリに対する切実な要求でした。この問題をめぐって両国の外交関係は一九七八年以来途絶えていますが、バチェレ政権発足を機に話し合いが続いていました。