2007年12月17日(月)「しんぶん赤旗」
イラク、苦しみの主因は米占領
イスラム聖職者語る
【カイロ=松本眞志】イラクのイスラム教スンニ派組織・イスラム聖職者協会の代表ハリス・アルダリ師は、カタールの衛星テレビ・アルジャジーラによる十日のインタビューで、「米国の占領がイラクを悩ませている主な要因だ」と語りました。
アルダリ師は「米主導の政治プロセス失敗後、われわれは全勢力を政治プロセスに参加させて治安を改善するよう占領政策の見直しを求めたが、反対のことが起きた」と指摘。米軍の長期駐留につながる十一月のブッシュ米大統領とイラクのマリキ首相による原則合意を例にあげ、「占領をやめなければイラクの苦しみは終わらない」と訴えました。
同師はさらに、米軍の占領が外国勢力のイラクへの干渉の責任を負っているとし、イスラエルのイラク国内での秘密情報活動とイランの影響について述べました。
アルダリ師は、イラクでの「治安改善」の背景について問われ、▽政府治安組織を支配するシーア派勢力がスンニ派への攻撃を停止した▽元スンニ派武装勢力を中心とする「覚せい評議会」が国際テロ組織アルカイダとたたかうために米軍に協力しているもとで、対米武装抵抗勢力が「覚せい評議会」との内戦を避けるために米軍への攻撃を控えている―などを理由にあげました。
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