2007年12月13日(木)「しんぶん赤旗」
検定意見誤り認めよ
出版労連など文科省に
「指針」の撤回も要請
沖縄戦
沖縄戦「集団自決」に関する高校日本史の教科書検定問題で、教科用図書検定調査審議会(文部科学相の諮問機関)が教科書出版社六社に訂正申請の書き直しを求める「指針」を伝えた件で、日本出版労働組合連合会(出版労連)と「沖縄戦首都圏の会」は十二日、文部科学省に改めて検定意見の撤回と、「指針」の撤回、軍強制を記した訂正申請を承認するよう求めました。
要請後の記者会見で吉田典裕・出版労連教科書対策部事務局長は「指針」が「集団自決」には皇民化教育や軍の手りゅう弾配布など「複合的要因」があったとして、単なる背景要因としてとらえさせようとしていることは、日本軍の責任を不明確にするものだと批判。
文科省や検定審議会が検定意見の誤りを認めず訂正申請という形で発行者に責任を負わせているとし、「検定意見が撤回されないもとでは、訂正申請の内容そのものが無意味なものにならざるをえない」とのべました。
また、「指針」を伝達するやり方は「超法規的なもので、文科省の考え方を押しつけることになる」と批判しました。
「沖縄戦首都圏の会」呼びかけ人で教科書執筆者の石山久男・歴史教育者協議会委員長は「手りゅう弾の配布自体がまさに軍の誘導・強制・命令を示す内容そのものである」と指摘しました。
要請に対し文科省は報道されている「指針」の存在を否定しましたが、「審議会の考え方を各社に伝えた」とのべているといいます。
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