2007年12月9日(日)「しんぶん赤旗」
小沢代表訪中の最中
民主議員が国会で「南京虐殺」否定発言
小沢一郎民主党代表が同党議員らの大代表団を率いて訪中していた七日、衆院外務委員会で質疑に立った同党の松原仁議員が、南京大虐殺の事実を否定し、侵略戦争の歴史をわい曲する発言をくりかえしました。
松原氏は、当時南京に進軍した元日本兵の「フランクな話」として、一度逃げ去った中国人らが戻ってきて「安全区」に大量に集まり、「ラーメン屋」や「散髪屋」を開いたと説明。これらを根拠に、「虐殺は事実上なかった」「日本の兵隊の方々の生の声で、私は実感した」とのべ、当時の生存者や元日本兵らの証言でもすでに明白な大虐殺の事実を根本から否定しました。
つづけて松原氏は、「少なくとも先人の誇りを傷つけるようなことをやってはいけない。慰安婦(問題で)もそうであります」「日本の国益を守る活動をしてほしい」とも発言。歴史の事実をみないで、侵略戦争を美化することが「先人の誇り」や「国益」を守ることなのか、と思わせました。
しかも松原氏の発言は、同日の小沢氏と中国共産党の胡錦濤国家主席との会談の直前におこなわれたもの。発言の意図はわかりませんが、民主党訪中団が掲げる“友好”となんとチグハグなことか―。
小沢氏は胡氏との会談で、「両国のきずなを深めることは、ひとり日中間のみならず、アジアと世界の安定と発展にも資することになる」と発言したと伝えられています。しかし、国会での松原氏の歴史わい曲発言は、日中関係だけでなく、日本とアジア各国との関係にとっても百害あって一利なしです。(信)